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福岡高等裁判所 平成9年(ネ)590号 判決 1998年1月30日

控訴人・被控訴人(以下「一審原告」という)

甲野花子

右法定代理人親権者父

甲野太郎

同母

甲野芳子

被控訴人・控訴人(以下「一審被告」という)

大分県

右代表者知事

平松守彦

右訴訟代理人弁護士

内田健

右指定代理人

野中信孝

外四名

主文

一  一審被告の控訴に基づき、原判決中一審被告敗訴部分を取り消す。

一審原告の請求を棄却する。

二  一審原告の控訴を棄却する。

三  訴訟費用は第一、二審とも一審原告の負担とする。

事実及び理由

第一  控訴の趣旨

一  一審原告

1  原判決を次のとおり変更する。

2  一審被告は一審原告に対し、一〇〇万円を支払え。

3  訴訟費用は第一、二審とも一審被告の負担とする。

二  一審被告

主文一、三と同旨

第二  事案の概要

一  本件は、大分市立小学校に在籍していた一審原告が、担任の臨時講師(県費負担教職員)の採用手続の違法や体罰等を主張して、一審被告に対し、国家賠償法に基づく損害賠償(慰謝料)を請求した事案である。

二  当事者間に争いがない事実及び証拠(甲一、二、四、乙一、一一の1ないし3、一二、一八、二〇の1、2、二一、原審証人乙山啓子)によって認められる事実

1  大分県教育委員会(以下「県教委」という)は、平成六年三月末の定期人事異動に伴い、同年度の大分市立日岡小学校の教職員定数を三〇名と決定したが、右定数には、教育研究所における長期教育研修対象者一名、新採用者の研修担当教諭の授業の一部補充等に充てる者一名が含まれており、将来、大分県下においても児童数、学級数の減少に伴う教員の定数減員が予想されたため、右二名の定数に正規採用の教員ではなく、臨時的任用者(学校教育法二八条一〇項の講師)を充てることを決定した。

2  県教委による臨時講師採用の手続は以下のとおりである。

① 教育事務所による教員免許の確認、同事務所所長による面接

② 各市町村教育委員会教育長による面接

③ 各学校長による面接

④ 地方教育行政組織運営に関する法律三八条に基づく各市町村教育委員会による内申の提出

⑤ 採用決定

⑥ 健康診断審議会による健康診断

3  県教委は、同年三月下旬までに前項①ないし④の手続を完了したうえ、同年四月一日、地方公務員法二二条二項、大分県人事委員会の職員の任用に関する規則二〇条二号に基づき、乙山啓子(以下「乙山」という)を、日岡小学校に配置する臨時講師(市町村立学校職員給与負担法に規定する県費負担教職員)として、任用期間を六月と定めて採用した(乙山が日岡小学校の臨時講師として採用されたことは争いがない)。

乙山は、平成五年三月二三日、教育職員免許法五条により、小学校教諭一種免許状を授与されたが、平成六年度の大分県教員採用選考試験には合格していなかった(乙山が右教員採用選考試験に合格していなかったことは争いがない)。

4  日岡小学校校長は、学校教育法二八条三項、大分市教育委員会の学校管理規則の規定等に基づき、乙山を四年四組の担任とする校務分掌の決定をした(乙山が四年四組の担任であったことは争いがない)。

5  その後、県教委は、前記職員の任用に関する規則二一条に基づき、乙山の任用期間を六月延長した。

6  一審原告は、同年四月一日から平成七年三月三一日まで、日岡小学校四年四組に児童として在籍した(争いがない)。

二  一審原告の主張

1  乙山の違法行為

(一) 乙山は、別紙1記載のとおり、一審原告に対し違法な体罰を加えた。これによる一審原告の精神的損害額は二五万円である。

(二) 乙山は、別紙2ないし23記載の言動から明らかなように、小学校四年の学級担任教師としての適格を欠き、一審原告は、四年四組に在籍したことにより、憲法で保障された教育を受ける権利を侵害された。これによる一審原告の精神的損害額は二五万円である。

2  県教委等の違法行為

(一) 法令上、臨時講師を採用することができるのは、災害その他重大な事故のため、学級担任である正規の教員が欠け、採用、転任等の方法により別の正規の教員を任用するまでの間、右欠員を放置できない等の緊急の場合でなければならないところ、県教委及び県教育長は、緊急の場合に該当しないのに、乙山を臨時講師として採用した。

(二) 憲法及び法令上、全国の児童に等しく一定の教育水準による普通義務教育を施すため、教員免許を有するだけでなく、教員採用試験に合格して採用された正規の教員を学級担任に充てなければならないところ、県教委等は、大分県の教員採用試験に不合格となった乙山を臨時講師として採用し、日岡小学校四年四組の担任に任命した。

(三) 一審原告は、乙山の担任の学級に在籍したことにより、適法に正式採用された教員による教育を受ける権利を侵害された。これによる一審原告の精神的損害額は五〇万円である。

第三  当裁判所の判断

一  一審原告の主張1(一)(体罰)について

一審原告は、平成六年六月四日、リレー会の開会式で、他の児童が後ろ前に着ていたシャツを周囲の児童とともに直してやっていたところ、乙山は、なにも言わないまま、一審原告を含む女子児童らの後頭部を叩いて行ったとして、乙山の右行為は違法な体罰であると主張する。

原審における一審原告法定代理人親権者母甲野芳子(以下「芳子」という)の供述及び原審証人乙山の証言によれば、右リレー会の際に、乙山が立っている児童を座らせるために、「座るように」と声をかけながら、手で児童の肩や頭に触れたことを認めることができる。しかし、右行為が、教師の児童に対する指導として行われる身体的接触の域を超えているとは認められないから、一審原告の右主張は理由がない。

なお、芳子は、原審において、「一審原告から、乙山が一審原告ら三名程の児童の頭を、いきなり後ろから叩いたと聞いた」と供述するが、右供述はそれ自体あいまいであるうえ、他の児童から何らの訴えがない(弁論の全趣旨)ことに照らし、信用できない。

二  一審原告の主張1(二)について

教育を受ける権利は、国民が、学校教育法等の法令の定めにしたがい、一定の施設、設備を備えた学校等において、教員となるための教育を受け、教育職員免許法上の教員免許を有する教員による教科その他の指導、教授を受ける機会を与えられることによって保障されるのであり、これらの条件が具備されている限り、個々の教員が実施する具体的な教育行為が、その方法、内容の如何等によって、憲法上保障された教育に該当しないこととなるものではない。

乙山が教員免許を有することは前記のとおりであり、後述するとおり、乙山の採用手続が違法であるとは認められないから、一審原告が主張する1(二)の各事実は、一審原告が教育を受ける権利を侵害されたことを基礎づける事由にはなり得ない。

したがって、一審原告の主張は、それ自体失当である。

三  一審原告の主張2について

1 前記のとおり、県教委は、平成六年度の日岡小学校の教職員定数三〇名中には、長期教育研修対象者一名、新採用者の研修担当教諭の授業の一部補充等に充てる者一名が含まれており、右二名の定数に正規任用教員を充てた場合、予想される児童数、学級数の減少に伴う教員の定数減員により、定数過剰の人員を生じることが見込まれたため、地方公務員法二二条二項、大分県人事委員会規則二〇条二号の「臨時の職に関する場合」の臨時的任用の規定により、乙山を臨時講師として採用したものであって、その採用手続に違法性はない。

一審原告は、緊急の場合でなければ、臨時的任用をすることは許されない旨主張するが、大分県においては、当時、児童数の減少傾向が続いており(乙一二)、かつ、定数三〇名中に前記の二名が含まれていたのであるから、人事の適正化のため臨時的任用をしたことは、裁量の範囲内に属し、違法とはいえない。

2 地方公務員の採用は、一般に、成績主義の原則に基づき、競争試験による(地方公務員法一五条、一七条三項)が、教員については、教員免許状の取得により既に一定の能力を有することが公証されていること、教員としての資質、適性等の人格的評価が重視されなければならないことから、教育委員会の教育長が行う選考によるとされている(小学校教員の場合。教育公務員特例法一三条一項)。地方公共団体が教員につき採用試験を行う場合、右試験は地方公務員法上の競争試験ではなく、その結果は教育長が行う選考の際の判断資料の一つとされるにすぎないから、右試験に合格しなかった者を選考により採用しても、違法の問題は生じない。

また、日岡小学校校長が、その裁量により、乙山を四年四組の担任とする校務分掌を決定をしたことについても、これを違法とする理由はない。

3  以上により、乙山の採用、学級担任の決定が違法であるとの一審原告の主張は理由がない。

第四  結論

よって、一審原告の請求は理由がないから、一審被告の控訴に基づき、原判決中一審被告敗訴部分を取り消したうえ一審原告の請求を棄却し、一審原告の控訴を棄却する。

(裁判長裁判官下方元子 裁判官池谷泉 裁判官川久保政德)

別紙

1、六月四日(土)のリレー会の際、開会式で、整列した時、吉田佳寿美君のシャツが後ろ前だったので、まわりの人、みんなで直してやっていたら、乙山が後ろから来て、何も聞かず、何も言わずにいきなり桑水流葉子ちゃんや森本佳奈子や首藤早紀ちゃんらの後ろ頭をたたいて行った。

2、六月一七日(金)の図工の時間(帆船作り)のこぎり、切り出しナイフ、キリ等を初めて授業で使用するにも拘わず、乙山はケガをしないようにとの注意も全くせず、児童をほったらかしにしていて、丸つけをしていた。

平川優ちゃんが手を切り出しナイフで切り、十二針縫う大ケガをした。

3、六月二〇日(月)プールの授業中、整列した時に川野由紀子ちゃんが久原哲也君の腹をコソッとつまんだので、彼はてっきり後ろの宮崎可奈子ちゃんがしたと思い込み、彼女をぶった。

いきなりたたかれた宮崎可奈子ちゃんはびっくりして大声をあげたところ、乙山は事情も全く聞かずに三人を罰としてプールに一度も入れなかった。

4、六月二四日(金)見学遠足(古国府浄水場、松岡処理場等)の時、暑い日だったので、児童が水筒の水を飲んでもいいですかと何度も願ったのに、食事の時以外は、行き帰りも、途中の待時間中にも、全く「いけん」と言って水を飲ませなかった。

そして、翌日教室で「昨日の遠足の時、先生がいけんと言うのに、何度も水を飲みたい飲みたいと言う人達がいたけど、しつこい。」と言って叱った。

5、六月二五日(土)、図画の授業中、乙山は、前日迄に渡辺奏愛ちゃんが制作し、完成した絵を、当人が体調が悪く欠席していたにも拘わらず、クラス全員の面前で、児童の多くが「先生、奏愛ちゃんが欠席しているのにそんなことしたらいけん」と一生懸命制止するにも拘らず、平然とその絵を二つに切った。

余りの非道さに泣き出した女の子も出た。

そして、この絵を他の全員の児童の絵と共に後ろの黒板に掲示し、PTAのあった七月七日以降迄も公開した。

(2)、七月二八日(木)、ミニ懇談会の席上、森本晴美等七名の父兄に、この件について「どんな絵の大家でも絵を切ったり、折り曲げたり、つぎ足したりします。私はその中で絵を切る方法をとりました。」と説明した。

(3)、同ミニ懇談会で、乙山は「私は注意して聞かなかったら、また注意して、それでも聞かない時はたたいています。」「私は、空手で黒帯を持っているので、どこをたたいたら悪いかよく知っているので、考えてたたいています。」と話した。

(4)、同ミニ懇談会で乙山は「今度の通知表は、辛くつけています。一学期より二学期、二学期より三学期がよくなって貰いたいからです。」「今迄の先生のつけた通知表の評価は一切関係ありません。」と説明した。

6、九月二日(金)学級委員を決める件(四時限)

一学期の学級委員の橋本君と小野美紀ちゃんが進行係で、二学期の学級委員に吉田佳寿美君と桑水流葉子ちゃんに多数決で決まった。

乙山が最後になって「みんなが学級委員になりたい人の話をよく聞かないで参加してない人が半分以上いたので、五時間目に、もう一度やり直します。」と言い、やり直させた。

桑水流葉子ちゃんはその場で下り、吉田君は今度は負けた。

そして、前回次点だった亀岡君と川野由紀子ちゃんに逆転して決まった。

書記も平川優ちゃんと久原君だったのが、宮崎可奈子ちゃんと久原君に替った。

(二)、翌九月三日(土)、朝の会で乙山は「きのう四時間目は参加している人が半分位しかいなくて、おしゃべりしている人がとても多かったけど、五時間目にやり直した時は教室がとても静かで、みんなが参加できて、よかったです。」と話した。

7、九月八日(木)、午後からPTAの日、二時間目、乙山は吉賀君がうるさいと言って、教室から追い出し、「どこでもいいから出て行きよ。」と言ってドアを〆切った。

その後、乙山がドアを開けたので、吉賀君が教室に入ろうとしたら、又追い出して授業を受けさせなかった。

他の児童が、先生ひどいと抗議したけど、全く取合わなかった。

吉賀君はとうとう泣き出した。

その日の午後からのPTAの席上、吉賀君の母親が「先生、うちの子がうるさくて迷惑をかけているのじゃないのでしょうか」と尋ねたら、乙山は、ニコして「吉賀君はクラスのムードメーカーでいい子です」と答えた。

8、九月一四日(水)、宿題を忘れた人が多かったので、放課後、「持って来ん人がおったら悪いので、ランドセルを教室においてかえって、宿題を持って来たら、ランドセルを持って帰りなさい。」と言って、家迄宿題を取りに帰らせた。

9、十月四日(火)、三時間目の算数の時間、吉賀君と板井君が叱られて床に正座させられて、授業を受けている時、その後ろの久原君と大森君も床に正座して丸つけをしていたら、乙山が来て、何も注意せず、久原君と大森君の頭を上からバシッと音がする程、強くたたいた。

10、十月一四日(金) 大森君が帰りの会の時、筆箱で遊んでいて乙山から注意されてやめた。

しかし、乙山は大森君の所へ行き、いきなり頭をたたいた。バシッと音がした。

11、十月二一日(金)三時間目、体育の時間(ポートボール)

乙山が話しをしている時、久原君と板井君の二人がボールを持って投げ合っていたら、乙山がボールを取り上げて何も注意せず、二人の頭をたたいた。

12、十月一七日(月)、平田君が休み時間中に渡部直樹君とケンカをして、平田君がたたいた。

乙山は、ケンカをずっと止めずに見ていたが、しがらくして「いいかげんにしよ。」と言って、平田君のほっぺたを平手打でたたいた。

13、十一月二〇日(日)家族参観日(理科)、一組と三組は算数、二組の永富先生と四組が理科の実験(電気と光、卵と塩水)をした。

乙山は黒板に「親と子の実験教室」と書いて、「さあ今日は、お母さんお父さん達も四年生になりましょう。お母さん達もみんな子供になります。おまじないをかけます。クル」とおまじないをかけて授業を始めた。

親に子供の所へ行って一緒にするようにと指示したので、子供の所へ行ったら、子供から手を出すなと拒否された親もいた。

四組はグループで机を集めて授業をした。

乙山は、明かりがつかない児童に「こうしたらつくので、こうやってみなさい。必ずつくから」との趣旨の教育をしていた。

二組の永富先生は、つかない児童に「どうしてつかなかったかわかる人」と尋ねて答えさせ、理由を考えさせていた。

机は普通の並べ方で、父兄は後ろで授業を見ていた。

14、十二月一日(木)、PTA授業参観日(図工)一組算数、二組国語、三組国語、四組乙山は図工。

黒板に「発表会」と書いて、五〜六人ずつの各グループが前に出て、十一月二〇日の「家族参観日」の時には既に完成して教室の後ろの台に並べていたお面を一人ずつが見せて「これは○○のお面です。工夫したところは○○です」と説明させた。

乙山が進行係をして「何か質問はありませんか」児童「○ちゃんのお面はどうして鼻が高いのですか」とかのやりとりをさせた。

あげくに、乙山が「先生から質問します」と言って更にくだらない質問をして、だら時間をつぶした。

その挙句に、半分弱の十二人は時間内に発表できず、チャイムが鳴った後、残った全員が前に出て、お面を一斉に見せて礼をしてそれで終った。

父兄は最初、これだけではあと時間が相当余るから何をするんだろうと話していたら、時間が足りなくなってしまったのでビックリした。

他のクラスは、お面は教室に飾って、父兄に見せていて、ちゃんと授業をしていた。

PTAの時に、まともな授業を一度も父兄に見せたことがない。

乙山が、授業を親に見せるだけの自信・能力がない。

同日、PTAの時、乙山は「私は子供のケンカは子供達にまかせています。ですからお母さん達も子供のケンカには入っていかないようにして下さい。」と注意した。

15、十二月七日(水)三時間目

二時間目の中休みに平田君と渡部君と吉賀君とがたたき合ってケンカをしていた。

二年一組の安東先生がとんで来て、三時間目の習字の岡崎先生と一緒に一生懸命止めて話しをした。

三時間目が始まったが、安東先生は自分のクラスを自習にしてずっと教室にいて、いろいろ話しをした。

その間乙山は、職員室に居たが来なかった。

平田君も落ちついてきて、吉賀君と渡部君もあやまって握手をしておさまった。

岡崎先生が「乙山先生に言って、みんなでこの問題についてよく話し合いなさい。」と言った。

四時間目に乙山が来たが、「みんなわかったの。」と言ったきりで終った。

16、十二月十二日(月)

授業を始まる前におしゃべりをしていた六、七人が後ろに立たされた(森本佳奈子も)そしてまたしゃべっていたら「あんたたちは悪いことをして立っているのにまたしゃべって」とすごくおこった。

「あんたたちから先生はいやな思いをさせられたから、先生もいやなことをしてやる。」と言って、宿題をたくさん出した。

17、一月一二日(木)、くすの木の時間(みんなで楽しくすごす時間)

久原君が「○○君が自分に○○をした」と先生に言いつけたら、言いつけた久原君を「後ろに立っときなさい」と言って、一時間中立たせた。(この時間は、三学期の遊びの計画をした)

「あなたが、次のくすの木に参加するかどうかは、先生が考えます。」と立たせたまゝの何も悪いことをしていない久原君に言った。

18、一月一三日(金)、三時間目の体育の時間にポートボールの試合をクラスでして「最強チーム」が優勝した(リーグ戦)。

四時間目(理科の時間)に、その表彰式をした。体育係がはじめのことばを言い、優勝チームの全員が前に出て一人ずつ勝った感想を言った。乙山もそのチームだったので感想を言った。

「私がガードマンだったので自分でもよく活躍したと思います。先生がいたから勝ったのではなくて、このチームがパスとかカットがとてもうまかったからです。先生はこの前のチームでは優勝できなかったから、先生がいたからじゃなくて、このチームがよかったからです。」と感想を言った。

そして、四時間目の理科の時間が終った。

19、一月一九日(木) くすの木の時間(遊びの時間)でいすとりゲームをした。最後の二人になって(男女各一名ずつが残った)みんながワイワイ言っていたら「うるさい!」と言って、吉賀君の頭をバシッとたたいた。「うるさいのはあんただけじゃないけど、あんたの声が一番うるさいんや。」と叱った。

20、一月二八日(土) 理科の時間で、「ぼく、私の一日」の題で昨日の自分のすごし方をノートに書きなさいと乙山が言った。

六、七人(森本佳奈子、首藤早紀ちゃん、緒方友美ちゃん、亀岡くんなど)が「えー」と言ったら、今、えーと言った人は後ろに立ちなさい。あなたたちは、教育を受ける権利があるのに、それを放棄したことになる。先生は義務教育だから、そんな人まで教える必要はない。」と言って叱り、しばらく後ろに立たせた。

21、授業が始まって、乙山は教室に来てもすぐに「起立、礼」をさせず、じっと立っていて、全く注意もせず、ただみんなが静かになるまで何も言わずにいつまでも待っている。

そして、十分も二十分もたってやっと授業を始めて、「あんたたちのせいでおくれた。どうするん。」と叱る。

この授業の始め方が毎日、毎時間のことである。

22、児童が「先生○○ちゃんが私の○○を取った。」と助けを求めたら、乙山は「私に言ってどうするん。取った相手に言わんと。」と答える。

「○○ちゃんに言ったけど聞いてくれん」と言うと「聞いてくれるまで何回でも言いよ。」と言って、全く取り合わない。

23、乙山の妹が幼稚園の先生をしているとかで、妹が幼稚園児に対して使っているアンパンマンやバイキンマン(幼児向けキャラクター)等の判を四年四組の児童の連絡帳や宿題のノートに押している。

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